デジタル遺品は「ログイン」より先に、全体を把握する

デジタル遺品とは、スマホ・パソコン本体、保存された写真や連絡先、メール、SNS、ネット通販、動画や音楽の定額サービス、ネット銀行・証券など、デジタル上に残る情報や契約の総称です。端末が手元にあっても、誰が契約者なのか、料金が発生しているのか、相続に関係する資産なのかは、すぐには分かりません。

最初の目的は、パスワードを突破することではなく、後で確認が必要なものを漏らさず記録することです。故人名義のアカウントへ無断でログインしたり、メッセージを送ったり、データを削除したりすると、家族間の行き違いや記録の消失につながるおそれがあります。

まず守りたいこと
端末のロック解除を何度も試さない、初期化しない、契約の解約を急がない。この3つを家族で共有してから、確認を始めましょう。

最初の48時間で残しておきたい情報

端末や書類が見つかったら、操作を進める前に、見つけた場所と外観を写真で残します。充電器、SIMカード、通帳、クレジットカード、メモ帳、郵便物も、別々にせず関連が分かるように保管します。

  • スマホ・パソコン・タブレットの機種、電話番号、契約会社が分かるもの
  • メールや通販、動画・音楽、クラウド保存などの請求書・利用明細
  • ネット銀行、証券、暗号資産など資産性のあるサービスの案内や通知
  • 写真・動画の保存先、外付けディスク、USBメモリ、紙のメモ
  • 毎月・毎年の引落しが分かる通帳、カード明細、メールの通知

この段階では、内容を読み込むより「何があるか」を一覧にするだけで十分です。端末のロック情報やパスワードを紙に写して共有することも避け、保管場所と扱う人を家族で決めます。

確認は3つに分けると混乱しにくい

分け方最初にすること
止める必要がある契約携帯回線、サブスク、通販の定期購入請求元・契約名・次回請求日を記録し、各事業者の公式窓口で必要書類を確認する
相続に関係する可能性があるものネット銀行、証券、ポイント、暗号資産、収益サービス残高や取引の画面をむやみに操作せず、相続人・遺言・専門家への確認を優先する
残したいデータ写真、動画、連絡先、メール、作品データ消去や初期化をせず、保存先とバックアップの有無を記録する

サブスクや通販は、各サービスの公式案内で手続きを確認する

定額サービスや通販の解約方法、死亡後に求められる書類、連絡窓口はサービスごとに異なります。国民生活センターも、通信販売では解約条件や連絡方法を確認し、連絡した記録を残すよう案内しています。まずはカード明細・メール・郵便物から契約先を特定し、公式サイトの案内または公式窓口で手続きを確認してください。

ログイン情報が見つからない場合も、推測で繰り返し試すより、死亡と相続人であることを示す書類が必要かを事業者に尋ねるほうが安全です。相続人が複数いる、解約や払戻しに意見の違いがある、資産性のあるサービスが見つかった場合は、単独で判断しないようにしましょう。

ネット口座・資産に見えるものは、片付けと分けて扱う

ネット銀行、証券、電子マネー、ポイント、暗号資産などは、金額の多寡にかかわらず、相続に関わる可能性があります。国税庁は相続税の準備として、相続人の確認、遺言の有無、遺産と債務の確認、目録作成などが必要になると案内しています。画面上の残高だけで判断せず、相続手続きの中で確認してください。

遺言の有無や相続人の確認がまだの場合は、法定相続情報証明制度などの公式情報も参考になります。法的な判断、遺産分割、税務申告は、事情に応じて弁護士・司法書士・税理士などへ相談してください。くらしリンクはこれらの判断を行いません。

残したい写真・連絡先を守るために

写真や連絡先は、契約の解約と同時に消える場合があります。解約を始める前に、サービスごとの保存・削除条件を公式案内で確認し、家族で残したいデータを話し合いましょう。端末が動く場合でも、アップデート、初期化、アプリ削除は後回しです。

生前に備える場合は、端末やサービスの一覧だけを作り、保管場所と連絡方法を信頼できる家族へ伝える方法があります。IPAは、重要データの定期的なバックアップや、パスワードの使い回しを避けることを案内しています。パスワードそのものを一覧に残すかは、保管方法を含めて慎重に検討しましょう。

公式情報・相談先

片付けの相談を、60秒診断から整理できます

デジタル遺品と実家の片付けが重なり、何から手をつけるか迷うときは、60秒診断で状況を整理できます。くらしリンクが相談内容を受け付け、必要に応じて片付けや専門相談の窓口をご案内します。

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